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’07統一地方選:8市長選 2新人が現職破る、6市は現職 /大阪

 ◇17市議、4町議も次々と

 統一地方選後半の8市長選(池田、富田林の両市長選は無投票)と17市議選、4町議選が22日、投開票された。5人による激戦となった八尾市長選は、新人の田中誠太さん(50)=民主推薦=が初当選。藤井寺市長選は、政党の推薦を受けない新人の国下和男さん(65)が3党相乗りの現職を破った。公職選挙法改正に伴い、今回から首長選でマニフェストが配布できるようになり、地方選初のマニフェスト選挙となった。他の6市長選はいずれも現職が当選し、4年間の地方政治の担い手が決まった。

 ◇8市長選、6市は現職
 吹田市長選は、旧国鉄吹田操車場跡地開発の是非を争点に3人が激戦を展開したが、推進を掲げる現職の阪口善雄さん(58)=自民、民主、公明、社民推薦=が3選を果たした。接戦となった高槻市長選は、現職の奥本務さん(72)=自民、民主、公明推薦=が、新人の吉田康人さん(42)に競り勝った。

 大阪狭山市では、政党の推薦を受けない現職の吉田友好さん(55)が、元職の井上武さん(62)=自民推薦=を破って再選。廃プラスチックのリサイクル問題に揺れる寝屋川市長選は、現職の馬場好弘さん(64)が3選を決めた。枚方、高石の両市長選は、いずれも現職の中司宏さん(51)、阪口伸六さん(50)が、それぞれ手堅く票をまとめて新人を退けた。
 17市議選は総定数425に対し536人、4町議選は総定数56に対して66人が争い、いずれも深夜に開票結果が出そろった。

 ◆八尾
 ◇田中誠太さん笑顔--無党派層も支持、5人の激戦抜け「無駄を排除」
 5人が立つ激戦となった八尾市長選は、民主推薦の元府議、田中誠太さん(50)が現職の柴谷光謹さん(68)=自民推薦=を破り、初当選を決めた。
 同市では昨年、市発注の公共工事をめぐり同和団体・暴力団関係者による恐喝事件が発覚。同和対策関連事業の見直しが争点になった。現職の柴谷さんは「市は変わったと評価されるよう、思い切った改革を進める」と訴えたが、新味を出せなかった。

 田中さんは府議時代の知名度はあったものの、民主党府連の推薦が告示後の16日となるなど、もたつきも。しかし、「格差是正」を訴えて旧社会党系の厚い地盤に支えられ、若さから市政刷新を求める無党派層にも支持を広げたとみられる。
 当選を決めた田中さんは事務所で「昨年の事件以来、八尾のイメージが悪化し、市民の変革への思いが強かったのを感じた。財政再建をし、1円の税金も無駄にしない。行財政改革の担当部局を新設して無駄を排除したい」と語った。柴谷さんは「私の健康問題や、同和対策への姿勢を批判されたのが大きかった」と疲れた表情を見せた。【高橋一隆、田村晃一】

 ◆藤井寺
 ◇国下和男さん雪辱--「新病院計画凍結」に支持
 藤井寺市長選は、前回選挙で接戦を演じた2人が再び激突。無所属新人の国下和男さん(65)が、自民、民主、公明の各党が相乗り推薦した現職の井関和彦さん(64)を抑えて初当選した。
 厳しい財政状況の中、市民病院移転新築の賛否が争点化したが、国下さんは計画凍結を主張。「多額の借金をしてまで病院建設をすれば『第二の夕張』になる」と訴えたのが有権者に支持された。国下さんは議会事務局長や市長公室長も務めた元市幹部。選挙中は収入役の廃止や特別職の報酬引き下げなど足元の引き締めも挙げた。
 当選を決めた国下さんは事務所で支持者らに囲まれ、「厳しい選挙戦だった。前回は約2000票差で負けたが、やっと雪辱を果たせた。市民病院の移転凍結見直しを訴えた点は市民に受け入れられたのではないか」と勝因を分析。「市内の各種団体に出している補助金を見直すなど、不要なものを極力削減し財政再建に取り組みたい」と抱負を述べた。【高橋一隆、稲垣淳】

 ◆吹田
 ◇阪口さん3選--組織力の強み
 旧国鉄吹田操車場跡地の再開発の是非が争点となったが、推進派の現職の阪口善雄さん(58)が3選を果たした。凍結・再検討を訴えた前市職労委員長、岩根良さん(50)が追い上げたが、与野党の推薦を受けた阪口さんが組織力で上回った。


 ◆高槻
 ◇奥本さん3選--猛追かわして
 現職と新人の一騎打ちとなったが、約2700票のきん差で高齢者・障害者施策の充実などを掲げた無所属現職の奥本務さん(72)が3選を決めた。自民、民主、公明の推薦を受け、ほとんどの市議が支援する態勢で、猛追をかわした。

 ◆枚方
 ◇中司さん4選--広範囲の支持
 マニフェストによる市政運営や行財政改革の成果を訴えた現職の中司宏さん(51)が新人3人を制し、4選を果たした。無所属だが、共産以外の各政党の実質支援を受け、広範囲の支持を受けた。子育て支援策の充実などを公約に挙げる。

 ◆寝屋川
 ◇馬場さん3選--改革実績掲げ
 市政改革の実績を掲げた現職の馬場好弘さん(64)が3選を果たした。京阪寝屋川市駅前の再開発などの公約実現を目指す。新人の長野邦子さん(63)は、廃プラスチックのリサイクル事業の中止などを訴えたが、及ばなかった。

 ◆高石
 ◇阪口さん3選--支持広げ大差
 3人の争いとなった高石市長選は、現職の阪口伸六さん(50)が大差で3選を決めた。03年に6党相乗りの現職を破って初当選後も、ミニ集会を頻繁に開いたり、各種団体の会合・式典に精力的に顔を出すなどして支持を広げた。

 ◆大阪狭山
 ◇吉田さん再選--実績評価され
 自民推薦の元職との競り合いが注目されたが、政党支援を受けずに臨んだ現職の吉田友好さん(55)が再選された。「市民が起点となる改革を前進させる」と訴え、収入役廃止や府内初の幼稚園と保育園の一元化などの実績が評価された。
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◆投票率
 ◇田市長選45.96%/八尾市長選52.63%
 ◇高石市議選、最高の61.58%/豊中市議選、最低の40.50%
 投票率は、激戦となった吹田市長選で前回(41・54%)よりも高くなったほか、高槻、枚方、八尾、寝屋川の各市長選で前回を上回り、関心の高さをうかがわせた。
 市議選では、最低が市議選単独だった豊中市で40・50%、最高が高石市で61・58%だった。
市長選   有権者数   投票率
吹田市   275286 45.96
高槻市   288278 49.03
枚方市   320554 46.93
八尾市   212646 52.63
寝屋川市  194167 47.61
高石市    47642 61.57
藤井寺市   52826 59.22
大阪狭山市  46061 54.35
市議選
岸和田市  158171 51.87
豊中市   311058 40.50
池田市    80718 49.46
吹田市   275286 45.88
泉大津市   59470 57.67
高槻市   288278 49.05
貝塚市    69365 57.16
守口市   117562 48.65
枚方市   320554 46.93
八尾市   212646 52.64
富田林市   95506 50.70
寝屋川市  194167 47.62
門真市   104848 45.56
高石市    47642 61.58
藤井寺市   52826 59.23
四條畷市   44257 54.74
大阪狭山市  46061 54.39
町議選
忠岡町    13839 65.48
熊取町    34651 54.74
田尻町     6086 75.50
岬町     15529 71.93

(毎日新聞朝刊)
by suita-city | 2007-04-23 23:00 | ニュース・記事


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